VOICE

2024年の軌跡

2024年12月26日

Photo:宮古島のホテルにて

 

 

 

俺の2024年は、どこを切り取ってもThe DOJINへとつながる。
始まりは出来心であっても動き出せばそれしか見えなくなるのが良くも悪くも俺の性格。
人と交わす音に惹かれ、人と関わる煩わしさに疲れながらも思い描くバンドサウンドを求めた日々。
それだけを見つめ1年という時間を過ごした中で分かったことは、これは単に俺の理想であってエゴでしかないんじゃないか?
自分の理想に人を巻き込み、そこから生まれた音に何か違和感を感じてしまう。
バンドなんて理想はもうどうでもいい。
真実はそこに響いている音だけ。
フレットを指で押さえ指先で弦を弾く音に自分があればいいと思った。
共に響き合える仲間がいれば、きっと長い時間をかけてバンドサウンドなるものが生まれるやもしれない。
そんなことも忘れてしまうほどバンドというものは俺にとって遠い過去なのかもしれない。
そもそも今時バンドなんていう思い込みに勝手に名前を付けているだけなのかもな。
それにしても「The DOJIN」いいネーミングだよな。
名前負けしそうなネーミングだけど笑。
後で思えば、この名を付けたのは今の自分が求めている音がそうさせたのかもしれないね。

 

そんな中でも、自分が関わらぬところで起きていたことがあった。
Blankey Jet Cityの音源がサブスクリプション化されたことでSNSなどでザワついたり、Rossoも同様に元メンバーのイマイアキノブと動き出したことでザワついた。
良くも悪くもこのタイミングは何とも不思議だ。
過去が今を作り、未来がそれを望んでいるのだったらこの先何が起きるのだろう?

そして10月に、父が90歳で亡くなった。
最後に会った時に向けられた言葉は「慌てるな」だった。
その言葉の意味は今では訓示としている。
60歳となった今年、あとどれだけ自分の人生があるのかなぁ?と思ったことに知らぬ間にセカセカしていたのかもしれない。
そんな息子を見て最後にかけてくれた言葉だったのだろう。
最後の最後まで父と子であったなぁとつくづく思う。
来年は急がず焦らずマイペースに自分のやるべき音楽、創作に力を注ぎたいと思っている。
The DOJINはおおらかな気持ちでなるようになると思っている。

 

最後に自分の音楽や活動をサポートしてくれたすべての人たちにありがとう!
みなさん良い年をお迎えください!

照井利幸